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2009年6月22日 (月)

豚インフルエンザ ― 終息宣言(?)関連 ―

豚インフルエンザ(鳥インフルエンザと峻別するために新型インフルエンザという名前は使わない)について、終息宣言と称されるものが出されて以来、急に落ち着きつつある日本である。

しかし、「終息」のわけがないと、その当時から思っていた。
一つには、世界では、少なくともこれから冬となる南半球での流行はないわけがないし、そして、日本と南半球の人的交流はあるのだから、これからだって入ってこないわけはない。
また、日本国内に入った豚インフルエンザウィルスが根絶されてもいないだろうから、あちらこちらで散発的に流行しないわけはない。

と思っていたら、やはり、国内のあちらこちらで、散発的な流行が生じている。
一番の違いは、マスコミが「感情刺激的」にとりあげないようになっていること程度である。

ひょっとすると、豚インフルエンザの終息ではなく、マスコミによるパンディアミック報道の終息という意味だったのかもしれない。

ところで、いつもながら、自分勝手な大阪の方々による「弱毒性」だからという発言が相次いでいた。
単純に、自分たちの対応能力を上回っており、やっていられないと素直に言えばよいのに、自分たちのことは棚に上げて、国に要求する関西根性丸出しである(もっとも、それがたまたま関西だったということであり、地域が関東ならば対応能力に問題がないということではないが。)

この言い分は、半分は正しいが半分は間違っており、全体的には、関西地域の有名知事の危機管理の基本の無知の丸出しである。

簡単にこの点を説明してみよう。

このような危機では、個人リスクと社会リスクの双方を考える必要がある。

例えば、個人リスクがこれまでのインフルエンザと同程度以下であったとしても、これが、社会全体に「集中的」に流行したら、社会システムの維持などに支障が生じるかもしれない。

現在のところ、豚インフルエンザは、一般のインフルエンザ(季節型インフルエンザ)と同程度以下の毒性を有しているようなので、個人リスクは(判断する方の主観によって異なろうが)確かにそれほど大きなものではないだろう。
少なくとも、日本におけるインフルエンザ予防ワクチンの低接種率からすると、平均的な日本人は小さなリスクととらえているようである。

しかし、これと社会リスクはわけて考える必要がある。
ヒトに免疫がないのであるから、一気に爆発的に流行する可能性がある。
そして、一週間程度自宅で隔離ということならば、下手をすると(よほどうまくむしなければ)地域全体、場合によっては日本全体がマヒする可能性もある。

つまり、関西地域の有名知事が、その言葉どおり、弱毒性ということのみを理由に制限緩和を求めているならぱ、危機管理のイロハも知らないこととなる。

もちろん、個人リスクと社会リスクは無関係なわけではない。
仮に、毒性がもっと弱く、鼻かぜ程度の症状しか生じないのであれば、一気に爆発的に流行しようと社会リスクにつながることはないだろう。

もっとも、制限緩和がおかしいと主張するものではない。

社会リスクを低くしようとすること(例えば、広い範囲で学校休校にする)は、コストにつながる。
抑えられるリスクと必要とされるコストを比較して、コストが高すぎるため制限を緩和するというのは十分に納得できる。

また、制限がほとんど意味をなさないという理由もあり得る。
感染が広がり、蔓延状況になってしまえば、多少の制限をしたからといって効果はほとんど期待できないだろう。

しかし、豚型インフルエンザの検査も不要としたのは、あまりにもいただけないものである。
これにより、豚型インフルエンザの感染状況が不明になってしまっている。
マスコミでは、国内のこれまでの感染者数を「いまだに」記事に書いているが、関西地区の大英断のおかげで、○○名と書くのは真実ではなくなってしまった。
例えば、○○名以上とするか、関西地区を除き○○名と書かないとおかしい。

さらにいえば、関西地区は自ら豚型インフルエンザの蔓延地区であることを認めたことに等しいわけであるから、成田などの空港で海外の感染国からの乗客にしていたのと同様の検疫を関西地区から外部へ出る人にしないというのは、外国差別であると思うがどうだろうか。

まぁー、本当は、準備不足のため、まじめな対応ができなくなったということであろう。
これは、別に関西地区に限らず、現在の貧困な医療行政の一つの結果にすぎないが、このようなことを「正直」に話せば、準備不足の責任を追及されるということで、「弱毒性なのに」ということで国民を騙したというのが真相ではあろうが。

しかし、豚でこれくらいならば、鳥ではどうなるのだろうか?
居酒屋では焼きトンも焼き鳥も似たようなものであろうが、インフルエンザではそうもいかないだろう。

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未承認抗がん剤(及び適用外抗がん剤)を含む混合診療についても、個人リスクと社会リスクを区別する必要がある。

日本人に対するデーターがないので、思わぬ副作用が出るかもしれないというのは、「個人リスク」の話である。
もちろん、健康保険適用にして、広く使用できるように国がするというならば別として、個人輸入のような形で行う分には「個人リスク」はあるとしても「社会リスク」は考えにくい。

そして、現在の抗がん剤治療(健康保険適用)についても、相当の個人リスクがあるところ、外国のデーターではあるもののリスクに大差ないというものについて、国が規制をかけることは法規制として相当性を欠くと考えるがどうだろうか。

さらに言うならば、ある程度の不確実性(=外国人と日本人の差が不明)を含む「個人リスク」を許容するかどうかは、患者個人の価値観の問題であり、また、インフォームド・コンセントに属することにすぎない。

少なくとも、登山のようなハイリスクのものを含め(喫煙だって周囲に煙をださないならば)「個人リスク」を受けるかどうかは、(十分な情報が与えられていることを前提に)個人の自由に属するというのが、これまでの人間の歴史の積み重ねの結果として選ばれている、自由主義の本質のはずである。

ついでに言えば、混合診療が「個人リスク」の観点から違法とすべきほど問題があるならば、トンデモ医療が横行している自由診療は許されるべきものではありえないが、この付近について、国はダンマリを決め込んでいる。

他方、「社会リスク」はどうであろうか。

がんという病気は伝染するものではないし、副作用はさらに伝染することはない。
その意味では、「社会リスク」ということは本質的には存在しないはずである。

厚生労働省的な社会リスクとしては「医療に貧富の格差が生じる」ということかもしれない。

しかし、効果・副作用が未確認のため健康保険適用できないというものならば、そのような治療を受けることができようと、できまいと「格差」には当たらないはずである。

本当に「格差」が問題となるのは、それが効果を有する(副作用も加味して)場合であり、それならば、健康保険対象にすべきものをしていないという国の怠慢を罪のない他人に転嫁しているということとなる。

少なくとも、一から十まで個人負担の「自由診療」は合法なのである。
混合診療は、一から十までは負担できないとしても、適用外の部分だけならば負担できる患者の救済となるのであり、「自由診療」が認められているわが国では、格差を幾分か解消するもののはずである。

このようなことまで書かなくとも、混合診療(未承認抗がん剤)を違法とするだけの「社会リスク」は見つからないような思うがどうだろうか。

ひょっとして、未承認抗がん剤による治療が広がることにより、その有効性が知れ渡ること、すなわち、厚生労働省が不作為の怠慢を働いていることが知れ渡るという「官僚の自己リスク」を警戒している、これが一番、的をついているように感じるのはおかしいだろうか・・・
(
厚生労働省の怠慢体質は社会保険庁(年金)で十分に公知の事実なのだから今更警戒しても仕方がないと思うのだけれども)

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