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2008年1月21日 (月)

私考:混合診療 -とりあえずの最後-

混合診療について、正月を挟んで延々と二月近くも書き続けてきた。
まだ、書くべきことは残っているはずであるが、とりあえず本件については中休みとしたい。

最後に、混合診療について、具体的に考えてもらうために作り話とその批評例をいくつか作ってみた。
作り話なので本当のことかどうかは分からない。また、批評は、あくまでも『例』にすぎない。
皆さまそれぞれ勝手に批評を試みて欲しい。
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作り話その1

東洋のある国に何十万人に一人いるかいないかという稀な種類のがんの患者さんがいらっしゃったそうだ。
ということは、トキやコウノトリよりは数は多いものの、イヌワシよりも貴重な生物ということとなる。

ところで、紅毛の国ではこのがんに対する薬として、20年以上も前からザノが普通に使われていた。
ところが、20年前のこの東洋の国では「がん」という言葉は患者に対して厳重な機密とされており、「がん」ということがわからないように抗がん剤もあまり使われていなかったそうな。

時代も変わって、この東洋の神秘な国でも機密主義は厚生労働省が年金とか肝炎に関する事実を隠すという大事な仕事をする時などしか見られなくなった。

このがんの患者さんは、イヌワシよりも貴重なのだから、当然、紅毛の国で使われているザノを使ってくれるものだと思っていたら・・・

そうしたら紅毛人は穢れた民であり、神聖なる東洋の国の民にそのまま使うことはまかりならぬ。
東洋の国の民でも有効か安全かを、その薬を売っている商人から聞いてこいとのこと。

商人は、イヌワシ程度の患者相手の商売のために、わざわざ有効だ・安全だなどと言っている暇はないとつれないセリフ。

この患者の運命や如何。

批評(例)
「がん」で死ぬのは天命であるが、薬の副作用で死ぬのは許されないというこの東洋の国の不可思議さが表されていない。

また、紅毛人で有効であるからといっての部分については、単なる人種差への偏見ではなく、真に民族差という理屈には心配するが、薬を使わせないことによる患者への影響は無視するという現実軽視のお役人らしさを詳細に書き込む方が内容に深みが出るかもしれない。

なお、商人については、利益にならないものは金主から許されないという立場や、多くの国では欧米で認められれば、一々その国民でも効果を示せなどといううるさいことは言っていないというその背中にしょっているしがらみも嫌みにならない範囲で触れておくと悪徳商人という型にはまった役柄から抜け出せるかもしれない。

最後に、これは稀な患者だけではなく、値段が下がった旧薬の適用拡大(使えるがんの種類の増加)など、多くの患者にも及ぶ可能性があることをエピローグで示すと作品としてのインパクトが強くなる。
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作り話その2

ある土地の代官様はとても情け深くて、病気になった農民には医者の費用のほとんどを払ってくれる。
(といったって、そのための費用は年貢として取り立てているのだが・・・)
しかし、代官様はやはり代官である。農民が自分の認めた治療以外を受けることは反逆行為と考えて、治療の費用のほとんどを払ってやるなどという恩寵を剥奪してしまう。

ここで、阿呆陀羅教の高僧が代官様に言うには、いままでの治療に加えて、病を防ぐ霊験あらたかな免疫の神に貴重な黄金のリンパを捧げれば、今まで千人の患者のうち半分しか効果がなかったものが四分の三には効果が出るかもしれない。
黄金のリンパは阿呆陀羅教が準備するので、いままでの治療の分については、これまで同様に代官がほとんど払って欲しいとのこと。

代官様は、物の試しにと許してみたが、効果らしい効果は見られない。
代官様は怒り出すし、さすがの阿呆陀羅教の高僧もあきらめることとした。

しかし、阿呆陀羅教に洗脳されてしまった患者は、黄金のリンパは自分が今後も捧げるので同じ治療を続けて欲しいと高僧に頼んだが、「これからは、お代官様が認めた治療以外のことをすると、お代官様が治療費のほとんどを払うという恩寵が剥奪される」とすげない返事。

もちろん、代官様に嘆願してみても無駄。

患者は黄金のリンパなしでは、治療の効果がなくなるかもしれないとノイローゼになってしまう。

ここに現れるのは、天下の副将軍水戸黄門、さて、そのお裁きは?

批評(例)
効果なしではなく、効果はわずか(例えば、千人のうち五百人に効果だったのが五百十人に効果)で黄金のリンパの費用に見合わない。
しかし、やめれば、効果が出ている五百十人のうち十人には被害があるとするほうが、より深刻かもしれない。

代官の専制ぶりに焦点を当てるか、阿呆陀羅教のいかがわしさに焦点を当てるか、演出により全く異なった芝居となる。
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作り話その3

昔々、紫式部という頭でっかちの気取った才女が恋愛物語を執筆していた平安時代は、長い美しい黒髪が女性の命であったらしい。
そして、現代でも、がんで死ぬ可能性の大小は気にならないが、脱毛は許したくないという
抗がん剤治療を受ける女性の中には、治療費よりもカツラにお金をかけるという方もいらっしゃるらしい。

さて、近未来の話であるが。

ついに『夢の抗がん剤』が開発された。ただし、残念ながら、夢の薬ではあるが理想の薬ではない。
つまり、効果はほとんど大差がないが、副作用がぐっと軽減されて、脱毛がほとんど起こらない。今まで薬が「ヒャクパーセント、ヒャクパーセント(全員(100%)が完全(100%)に抜ける)」であったことを思うと、女性にとって、まさしく『夢の抗がん剤』である。

しかし、製薬会社いわく「開発費がかかっているので、これまでの抗がん剤の数倍のお値段はいただかないと引き合わない」。
他方、国は、髪の毛などというアメニティーのために、国民の保険料は使えないとお役人(普段は徴収された保険料は自分の物というような顔をしているのに、何故かここでは国民の保険料)。
別に製薬会社は欧米で商売をすれば良いのだから、結果として、日本での承認などパッシング。

美しい(かどうかは知らないが)髪が命のお金持ちの女性が、その薬代は負担するから、命ばかりではなかった、命より大事な髪を助けたいと願ったが・・・
(それに、高級カツラよりも安いし)

お役人は、治療に貧富の差が出るのは許せない。また、欧米ではどうあろうと、日本では承認されていない薬だから安全性もわからないので許せない(もっとアヤシゲナ健康食品はかまわないけど)などと女心を理解してくれない。

あげくのはて、庶民からも「お金持ちだけがハゲないのはけしからん。ハゲるべき時は、みんな揃って仲良くハゲるべき。それをお金で何とかしようとはけしからぬ。」とねたみ・そねみの嵐。

そういえば、日本は無宗教の国、つまり、カミのおはさぬ国であった。

批評(例)
お役人に、保険料のやりくりもたいへんであり、高価な薬は効果・副作用がどうあれ、認めたくないという本音も語らせるべきかもしれない。

できるだけ早期に上演しないと、近未来の話ではなく、現実話(ドキュメンタリー)になってしまうかもしれない。

また、新薬については病院内の倫理委員会などの煩雑な手続きがいるし、医療過誤裁判の横行に未承認薬という訴訟リスクが高い薬は使いたくないという病院の内情、また、そのために最高の医療を志す若き医師が病院と患者に挟まれて苦悩するなどということを入れると、観客に受けるかもしれない。

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最後になるが、混合診療を考えられる際には、トンデモ医療とか未承認抗がん剤というような個別問題も良いが、健康保険制度のあるべき姿(負担も含めて)や、個人に係るリスクが許容できるか否かを判断するのは国なのか本人なのか、あるいは、国が定める公平・一律の医療制度の維持という公益(?)かそれとも納付した保険料に対する反対給付の権利という私権を重視するのか、といった広い見地からも考えてほしい。

なお、この際には、「医療の平等」「患者の負担増大(軽減)」「医療の安全性・有効性」といった大義名分に目をくらまされずに(大義名分により隠されるマイナスはないのか。また、その大義名分が混合診療禁止につながるのか。)、色々な観点から考えていただきたい。


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コメント

こんにちは。

私ね最近ガンで死ぬ事は運命かなと思っているのよね結局はる廃物がいろんなところに溜まってがんができるわけしょ。

年を取って死んでいく人を見ているとみんなそう、中には若い人もいるけどね、私の知り合いで未承認抗がん剤で丸山ワクチンを入院しているときに飲んでいた人がいるわ。

かなりガンに効くというものがあるのに国の方で認めないものが有るような気がしているの、がん患者の方で抗がん剤を飲んで髪の毛が抜けていく人見ると耐えられないわ。

とりあえず、コメントありがとうと書いておきます。

しかし、○山ワクチンと未承認抗がん剤を一緒にするようではね。

たしかに、未承認抗がん剤の多くは、その適用のあるがんに対して既存の抗がん剤よりも優れている可能性が高いでしょう。
もっとも、あなたがおっしゃりたいのが、がんに効くと称する健康食品ならば単なるあなたの妄想です。

また、脱毛を見るのが耐えられないかはあなたの主観の問題ですが、あなたのURLを開くと「ムダ毛処理方法&脱毛方法比較ランキング」というのでは、いい加減にしろと言わざるを得ないですね。

なお、逆宣伝にならないようにあなたのURLは公開に当たって削除しておいてあげますから・・・

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